品質マネジメントシステム~ISO9001:2015の7つの原則~

2018年12月3日

 

品質マネジメントシステム

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ISO9000シリーズとは

ISOとは国際標準化機構(International Organization for Standardization)のことで, 電気・電子技術分野を除く工業分野の国際的な標準規格を策定する民間の非営利団体です.

この国際標準化機構(ISO)が定めているのが, ISO規格です.

ISO9000シリーズでは, 企業が構築した品質マネジメントシステム(Quality Management System : QMS)が規格に適合していれば, 一定の品質が保証された製品が製造されるという基本的な考え方に立っています.

企業が構築した品質マネジメントシステムが規格に適合しているかは, ISO審査機関によって審査され, 認証(合格)されれば, ISO認証取得(登録)となります.

このISO9001は2015年に改訂されており, 同年に日本の規格としてJIS Q 9001:2015が発行されています.

 

品質マネジメントの原則

JIS Q 9001:2015「品質マネジメントシステム―基本及び用語」では, 品質マネジメントの原則として, 7つの原則が決められています.

この原則はISO9001:2015における品質マネジメントシステム規格の基礎となっています.

顧客重視

“品質マネジメントの主眼は, 顧客の要求事項を満たすこと及び顧客の期待を超える努力をすることにある.”

顧客からクレームがあることは, 顧客の要求事項を満たしていることにならないため, 顧客重視がなされていないことになります.
品質マネジメントシステム自体の目的が顧客重視にあります.

リーダーシップ

“すべての階層のリーダーは, 組織の目的及び目指す方向を一致させ, 人々が組織の品質目標の達成に積極的に参加している状況をつくり出し, 維持するべきである”

ISO9001では経営者の積極的な関与を重視しています.

人々の積極的参加

“組織内のすべての階層にいる, 力量があり, 権限を与えられ, 積極的に参加する人々が, 価値を創造し提供する組織の実現能力を強化するために必須である”

ISO9001では人的資源を重視しています.

プロセスアプローチ

“活動を首尾一貫したシステムとして機能する相互に関連するプロセスと理解しマネジメントすることで, 矛盾のない予測可能な結果が効果的, 効率的に達成できる”

プロセスを明確にし, その相互作用を把握し運営管理することと併せて, 一連のプロセスをシステムとして適用することをプロセスアプローチといいます.

改善

“成功する組織は, 改善に対して, 継続して焦点を当てている”

組織が現状レベルのパフォーマンスを維持し, 新たな機会の創造のためには改善が必須事項です.

客観的事実に基づく意思決定

“データ及び情報の分析及び評価に基づく意思決定によって, 望む結果が得られる可能性が高まる”

ISO9001規格ではデータ及び情報の分析・評価を要求しています.

関係性管理

“組織は, 持続的成功のために, たとえば外部提供者のような利害関係者との関係をマネジメントする”

長期にわたる成功のために利害関係者との関係をマネジメントしていく必要があります.