平均故障寿命MTTFと平均故障間隔MTBFとは?|その違いと計算方法

2018年12月3日

 

MTTFとMTBF

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信頼性と耐久性

信頼性工学とはアイテムやシステムの信頼性に関する技術です.
信頼性とはアイテムが与えられた条件下で規定の期間中,
要求された機能を果たすことができるかどうかということで決まります.
近年では, 修理時間や稼働時間も考慮したディペンダビリティという用語が信頼性の意味で広く用いられています.

信頼性の要素には下で論じる耐久性と, 直しやすさを示す保全性, 設計信頼性などがあります.
耐久性とはいかに丈夫で長持ちするかという性質で, 壊れにくさを示します.
システムの耐久性を評価する指標にMTTFやMTBFがあります.

平均故障寿命(MTTF)とは

平均故障寿命(MTTF)は修理できない非修理系システムが故障するまでの寿命の平均です.
MTTFとは Mean Time To Failureの略称です.
非修理系システムとは故障しても修理ができない使い捨て品や, 再生不可能なアイテムを指します.
具体的な例としては, 電球の寿命の評価にはMTTFを使用するのが適しています.

MTTFは稼働時間を故障件数で割ることで算出できます.

MTTF

例えば電球がそれぞれ200時間, 150時間, 250時間で故障した場合のMTTFを求めると以下のようになります.

MTTF例題

信頼度とB10ライフ

横軸に故障するまでの時間tを取り, 故障までの時間(寿命)の密度関数f(t)を表すと,
時間tで正常に機能を果たす確率である信頼度R(t)は以下の式で表せます.(=塗りつぶしてあるところの面積)

信頼度

時間とともに故障するものが増えていくため, 信頼度は時間とともに減少していきます.

信頼度が90%となる時間をB10ライフ(ビーテンライフ)といいます.
B10ライフは言い換えると全体の10%が故障するまでの時間のことです.



平均故障間隔(MTBF)とは

電球のような修理できない(修理することが適してない)使い捨て品は平均故障寿命MTTFで耐久性を評価しました.
一方, 電気スタンドは故障しても修理することで繰り返し使用することが可能です.
このような修理が可能なシステムや機械の耐久性の指標は平均故障間隔(MTBF)で表されます.
MTBFはMean Time Between Failure の略で, 故障から次の故障までの間隔の平均値のことです.

MTBFイメージ
MTBF(時間/件)は稼働時間を故障件数で割ることで求めることができます.

MTBF

故障率λ

故障率λはMTBFの逆数で表すことができます.
故障率は単位時間あたりにどれほど故障が発生するかという確率を表します.
故障率

【関連書籍】

信頼性工学について分かりやすく解説してあります.
品質保証や開発関係に従事している方には特に参考になる実際のトラブル事例なども載っています.