ナレッジマネジメント | 暗黙知と形式知・SECI(セキ)モデルとは

2018年12月3日

ナレッジマネジメント

ナレッジマネジメントとは

ナレッジマネジメントとは, 組織内の個人がそれぞれ持っている有用な知識・技術を共有化し, 有効活用をすることによって新しい知識の創造を目指すマネジメント手法です.
近年非常に注目されている人工知能や統計学を利用してデータから知識を取り出そうとするデータマイニングもナレッジマネジメントの具体的手法のひとつです.

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暗黙知と形式知

暗黙知とは個人ひとりひとりの体験に基づいた個人的な知識です.
暗黙知には個人のノウハウ・技能のほかに, 信念, ものの見方, 価値システムといった無形の要素も含まれます.

形式知は文法に則った文章, 数学的表現, 技術仕様, マニュアルなどによって形式化して表した知識です.
形式化が可能で容易に伝達できる知のことをいい, 明示知とも呼ばれます.

SECI(セキ)モデルとは

ナレッジマネジメントで企業組織の個人が有している”知”を組織の”知”へと表出し, ”知”が想像できる“知識創造企業”へ導くためのモデルとしてSECI(セキ)モデルがあります.

このSECIモデルは一橋大学名誉教授の野中郁次郎教授と竹内広高教授が執筆した『知識創造企業』において提唱されました.

SECIモデルのSECIとは暗黙知と形式知の知識変換プロセスの共同化(Socialization), 表出化(Externalization), 連結化(Combination), 内面化(Internalization)の4つの段階の頭の文字をとったものです.
SECIモデルではこの4つの知識変換のプロセスを継続的に循環させます.

共同化(Socialization)…個人, 小さなグループで暗黙知を共有する. 経験の共有など.
表出化(Externalization)…暗黙知を言葉として形式知に変換する.
連結化(Combination)…形式知を組み合わせ新たな知識を創造する.
内面化(Internalization)…体系化した形式知を習得することで新たに自分の暗黙知とする.

SECIモデル

関連書籍

【知識創造企業】
多くの日本企業の知識創造の過程を説明しながら方法論として体系化しています.
職人技に代表される暗黙知を共有することで形式知にし更にそれを再び暗黙知にするというSECIサイクルを回すことで発展していった具体的事例が紹介されている名著です.

【イノベーションの知恵】
野中郁次郎教授の知識創造理論を北海道の旭山動物園や,
JR東日本のエキュートなどの具体的事例を取り上げ展開しています.
イノベーションによって大きな成果を得ることができるリーダーに共通する知の作法や共通善(コモングッド)の考え方を複数の具体的ケースから浮彫りにしています.