品質管理の資格!QC検定の取得メリット・合格率・難易度
12月の初めから3月実施予定の品質管理検定(QC検定)の申し込みが始まりました.
QC検定のQCとはQuality Controlの略です.
QC検定は1級から4級まであり, 毎年3月と9月の計2回行われます.
QC検定とは
QC検定とは日本規格協会が実施する品質管理の知識に関する検定です.
QC検定を導入する企業も増加してきており,
規格協会のHPに企業の取り組み事例などが紹介されています.
製造業を始めとする様々な業種の企業で導入されてきているようです.
QC検定には1級・準1級・2級・3級・4級の5段階のレベルがあります.
QC検定取得のメリット
QC検定は, 品質管理に関する知識をどの程度持っているかを筆記試験によって客観的に評価を行うものです.
品質管理という非常に実務的なスキルを客観的に評価する指標は他に中々ないため,
就職・転職の際にも大きなアピールポイントになります.
企業全体の品質管理に対する意識を高めることも, 企業が社内でQC検定の取得を推奨する理由のひとつです.
品質管理に対する意識が全体的に上がれば, 自ずと製品の品質レベルの向上も図ることができます.
個人個人の品質管理のレベルの把握も客観的に行えるため, 企業や所属部署によってはQC検定を教育計画に活用する場合もあります.
日本のほとんどの企業は広義的な品質管理活動を行っているため
資格取得の勉強で得た知識を活かせるフィールドは多くあると言えます.
特に, 実際に製造業でモノづくりに携わる人がQC検定3級以上の知識を有していると,
活用できる機会は非常に多く, かなりの有効性を感じられるのではないでしょうか.
又, 基礎的な知識をQC検定取得に向けた学習で積み, 業務にそれらを活用することでも更に理解を深めることができるでしょう.
1~4級のレベルと受験対象者
QC検定には1級・準1級・2級・3級・4級の5段階のレベルがあり,
それぞれ対象は以下のように想定されています.
受験資格は特にないのでどんどん上の級を狙って行って良いと思います.
- 1級/準1級 : 品質管理部門のスタッフ、技術系部門のスタッフなど企業内において品質管理全般についての知識が要求される業務にたずさわる方々
- 2級 : QC七つ道具などを使って品質に関わる問題を解決することを自らできることが求められる方々、小集団活動などでリーダー的な役割を担っており、改善活動をリードしている方々
- 3級 : QC七つ道具などの個別の手法を理解している方々、小集団活動などでメンバーとして活動をしている方々、大学生、高専生、工業高校生など
- 4級 : これから企業で働こうとする方々、人材派遣企業などに登録されている派遣社員の方々、大学生、高専生、高校生など
どんな勉強をすれば良いか
4級
4級は日本規格協会のホームページで, テキスト(4級の手引き)が公開されています.
解説もついているのでこれを利用し, 基礎固めをするのが良いでしょう.
3級
3級は計算よりも知識を問う問題が多く出題されるので,
品質管理は初めて触れるという方も参考書1冊やりこめば合格できます.
QC検定は過去問も市販されているので問題の傾向を掴むために1度目を通しておくと良いでしょう.
2級
2級は計算問題も多いので勉強しましょう.
試験時間に対して問題のボリュームもあるので, 過去問に慣れておくことが特に有効です.
テキストは1冊でも合格は可能ですが,
完全に出題範囲をカバーしている問題集が少ないので, 1冊やり切ってから不足分があれば別の参考書を見るのが効果的です.
1級
1級の論述問題は, 出題されるテーマに沿って自分の立場で業務で行ったことを記述する方式のため,
実務経験がある方がかなり有利になります.
経験があってもそれを品質テーマに沿って論理的に説明できなければ論述が不合格になって準1級となります.
手法編も2級から相当レベルが上がるので, 2級の知識だけでいきなり問題集を解くのは非常に大変です.
QC検定1級に関してはテキスト1冊+問題集+過去問などを組み合わせて学習するのが一番良いと思います.
受験者数と合格率
QC検定は全国で試験が行われており,
合格者は累計43万名を超えているそうです.
2018年9月の第26回試験の級別合格率は以下のようになります.
1級 | 4.57% |
2級 | 24.89% |
3級 | 49.98% |
4級 | 84.52% |
出典:受検者データA ― 申込者、受検者、合格者、合格率の累計(第1回~第26回)https://www.jsa.or.jp/datas/media/10000/md_4090.pdf
QC検定の受験者数は1級が1,000人程度であるのに対し,
2級は1万人を超え, 全ての級の中で最も受験者数の多い3級の受験者数は3万人を超えています.
3級の合格率は近年では回によってばらつきがありおおよそ40~60%程度です.
2級は20%~30%で推移していますが近年では稀に20%を切ることがあるようです.
1級の合格率は10%に満たない数値でかなり低めです.
マークシート採点の部分は合格して論述が不合格になった場合準1級扱いになりますがこの合格率は準1級は除いた数値になります.
試験日程
年2回実施(9月・3月)
試験時間・試験方法
1級/準1級 | 13:30-15:00 (120分) |
2級 | 10:30-12:00 (90分) |
3級 | 13:00-15:00 (90分) |
4級 | 10:30-12:00 (90分) |
マークシート方式
1級のみ論述試験あり
受験料
1級/準1級 | 8,220円 |
2級 | 5,140円 |
3級 | 4,110円 |
4級 | 3,080円 |
2・3級併願といった複数の級を同じ日に受験する制度もあります.
詳しくは規格協会ホームページで確認してください.