働き方改革・業務自動化で何かと話題のRPAとは?ExcelマクロやAIとの違い
RPAとは
RPAとはRobotic Process Automationの略語で,
ロボット技術により, PCを使ったデスクワークなどの業務プロセスを自動化することを指します.
RPAのロボットは事務的作業をPC上で代行するため, デジタルレイバー(Digital Labor)とも呼ばれます.
RPAという言葉は2015年ごろから欧米を中心に使われ始め, 働き方改革や高齢化による労働人口の減少による人手不足を背景として, 近年注目を集めています.
近年では国内外で実際にRPAを導入する企業が増えてきています.
RPAとExcelマクロの違い
業務自動化のためのツールとしてRPAとよく比較されるのがExcelマクロです.
Excelのマクロは, MicrosoftのExcelに標準で搭載されている複数の操作を記録して自動的に実行することができる機能です.
Excelマクロで操作できる範囲は基本的にExcelと関連するMicrosoftのOfficeソフトウェアが中心になります.
それ以外のアプリケーションや企業固有の基幹システムを参照するといった処理は自動化することができません.
一方RPAでは操作できる対象が限定されておらず, 様々なシステムやアプリケーションと連携した処理の自動化が可能です.
この自動化できる業務範囲の違いがRPAとExcelマクロが最も大きな相違点です.
RPAツールはアプリケーションソフト間の連携が必要な処理の自動化も可能
又, Excelのマクロの記録は, Excel VBAと呼ばれるプログラミング言語を使用します.
マクロを作成するのには実際に行った操作をそのまま記録させる自動記録という機能もありますが,
それだけではカバーできないような少し複雑な処理を自動化させる場合はVBAの習得が必要になります.
VBAが分かるITに強い社員が複数人いれば何の問題も有りませんが,
VBAによるマクロを作成していた人が異動・退職してしまったなどで,
メンテナンスが滞ってしまったという話はしばしば耳にします.
Excelマクロは低コストで運用でき非常に便利なものですが属人化させないことは一つの課題になります.
一方RPAの多くは,
専用の開発ツールが用意されており,
特にプログラミングの知識を有していなくても, 簡単に様々なシステムと連携させることが出来るようになっています.
RPA導入の際はこの開発ツールや管理ツールがしっかりしたものかどうかも評価のポイントになります.
RPAとAIの違い
RPAと比較される対象としてAIもしばしばその名前が挙がります.
このRPAとAIの間には, 作業の中で自律的な判断ができるかどうかという点での違いがあります.
RPAはルールとして定められている定型業務を得意としますが, ルールに則らない部分に遭遇した際に,
自ら判断することはできません.
一方でAIは人間の判断や思考を再現することを目的として開発されているため,
与えられているルール以外にAIが自ら学習することで判断を行います.
近年では, AIとRPAを組み合わせることで,
RPAの業務自動化の適用範囲を広めようという開発や実証実験が盛んに行われています.