特性要因図 (フィッシュボーンチャート)~QC7つ道具~

2018年9月14日

特性要因図

 

特性要因図とは

特性要因図とは, 特定の結果と原因系の関係を系統的に表した図です.

特性要因図はその形が魚の骨に似ていることから, フィッシュボーンチャートとも呼ばれています.

QC7つ道具(①パレート図, ②特性要因図, ③チェックシート, ④ヒストグラム, ⑤散布図, ⑥グラフ/管理図, ⑦層別)のうちのひとつです.

このツールは品質管理の分析ツールであると同時に, あらゆるビジネスの原因と結果の関係を図示化するのにも有効なツールです.

 

特性要因図は実は日本生まれの手法で, QCサークル活動の生みの親とされている東京大学の石川馨教授が考案したものです.

1952年に川崎製鉄の工場が実務に使用し大きな成果を上げたことで, 広く企業にも浸透するようになりました.

現在では, 改善活動の報告でも定番となっている良く知られた手法です.

 

特性要因図

 

特性要因図では図の右端に検討対象のテーマ・問題となっている特性を書きます.

そこから左に1本の線を伸ばし魚の骨の背骨の部分を書きます.

背骨から大骨を斜めに伸ばし主な要因と思われるものを書き込んでいきます.

(斜めにする角度は, 概ね60°程度の角度だと更に深堀していく際,書き込みやすいと言われています.)

さらに書き込んだ主要因が起こる原因となり得る項目を列挙していき, できる限り細分化していきます.

特性要因図ではこのように階層構造で整理していきます.

 

洗い出された要因に対して, どこにどのような対策を打つかを考えるのが特性要因図の使い方です.

作成された特性要因図にモレや抜けがないかのチェックをする際は,

ひとりで行うよりもより多くの関係者で行うと良い結果が得られやすいです.

 

特性要因図を作る際にの切り口として, 製造業では4M(人・設備機械・方法・材料)に着目した方法が良くとられています.

 

不適合品など製品の品質問題や売上未達などの問題は, 何らかの原因があって発生するものですが,

その要因は非常に複雑に絡み合って発生していることも少なくありません.

このように1つの問題に原因が1つであるとは限りません.

特性要因図はこのような複雑に絡み合った原因を探り, 対策案を探っていくために使用されます.

特性要因図で洗い出された要因は仮説も含んでいるため, 対策案にあたりがついたところで実際に検証してみる必要があります.