コトラーの競争地位の4類型(リーダー・チャレンジャー・ニッチャー・フォロワー)

2018年12月3日

コトラーの競争地位4類型

コトラーの競争地位の4類型とは

コトラーの競争地位の4類型とは, 1980年にマーケティングの第一人者であるフィリップ・コトラーが提案した競争戦略の理論で、マーケットのシェアの観点から企業をリーダー・チャレンジャー・フォロワー・ニッチャーの4つに分類し, 競争地位に応じた戦略を考える方法です.
マーケット戦略を考える上で,自社の業界における競争地位に応じて企業の戦略目標を提示します.

4つの競争地位分類

  • リーダー
    業界トップのマーケットシェアを誇り, 業界を牽引する主導的立場にある企業です.
    強力なチャネルと商品開発力を持っている場合が多くあります.シェアが大きいため市場規模が拡大した際に最も多くの恩恵を受けることができます.そのため, 自社のシェアを維持・増大させるだけでなく, 市場全体を拡大させることが戦略目標となります. 一般的にリーダー企業は資金力や技術開発力に優れている場合が多いため, 品種や価格帯を幅広く揃えるフルライン戦略を採用している特徴があります.
  • チャレンジャー
    業界でリーダーに次ぐ2番手のシェアを持ち、リーダーに挑戦しトップを狙う企業です.
    シェアを拡大していくことが課題となり, リーダーが注力していない分野を狙う・特定の顧客やニーズを狙うなどでリーダーとの明確な差別化が必要になります.
  • フォロワー
    業界で3~5番手に位置する企業です. フォロワーの戦略はリーダー等の競合他社の模倣戦略になります.
    チャネルを絞って営業活動やプロモーションを進める・商品トレンドに迅速に対応して開発品を商品化するなどの戦略がとられます.
  • ニッチャー
    ニッチャーはリーダーやチャレンジャーが本気で参入してこないスキマ市場(ニッチ市場)を狙う企業です.
    一般的に専門性の高い分野が中心となり, そこで独自の地位を築く戦略となります. そのためブランド力向上もニッチャーの課題となります.
    販売チャネルなどは特化したものに限定し, 専門化することで収益を高めることを目標とします.
    ニッチャーはスキマ市場が拡大した際に, それを見てリーダーやチャレンジャーなどの大手企業が参入してきた場合のリスクも考慮しておく必要があります.