VRIO(リソース・ベースド・ビュー)~経営資源の分析~

2018年12月3日

VRIO

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経営資源(リソース)

ビジネス用語として使用されるリソースとは, 仕事を行う上での資源(経営資源)のことです.
企業はヒト・モノ・カネなどの資源を投入することでその企業価値を高めています.
具体的なリソースの例として人材, 製造設備, 技術開発力, ブランド力, 組織力などが挙げられます.

リソース・ベースド・ビュー(RBV)

リソース・ベースド・ビュー(RBV)とは, アメリカの経営学教授のJ・B・バーニーによって提唱された戦略論です.
「企業それぞれに異なった経営資源を活用できる能力(ケイパビリティ)の開発しだいで,
企業が競争優位性を獲得できるかどうかが決まる」というものです.
ケイパビリティは企業が全体としてもつ組織的な能力のことで, 効率や品質の高さなども含まれます.
このケイパビリティは他企業が真似することが難しいため, 競争優位性や利益の源泉となり得ます.
つまりリソースを活用する能力が重要ということです.

VRIO分析とは

VRIO分析は企業のもつ経営資源の強みや弱みを分析する,
リソース・ベースド・ビュー(RBV)の代表的なフレームワークです.
企業の経営資源を
1.経済価値(Value)
2.希少性(Rarity)
3.模倣困難性(Inimitability)
4.組織(Organization)
の4つの観点から分析します.
企業の持つ経営資源に対し, この4つの要素に関する各問いに答えることで資源の有効活用度をチェックします.

V:経済価値に関する問い
その経営資源を持つことで外部環境の脅威や機会に適応することができるか.
あるいは競合を無力化することができるか.

R:希少性に関する問い
業界内でその経営資源を有しているのは限られた極少数の企業か.

I:模倣困難性に関する問い
その経営資源を保有していない企業は, その経営資源を獲得するために大きなコスト負担が必要か.
又はコスト上の不利な状態になるか.

O:組織に関する問い
その経営資源を有効活用するための組織的ルールや方針は整備されているか.

このように内部の経営資源について分析することで,
価値・希少性・模倣困難性・それらを活用できる仕組みについて経営資源の活用度を把握することができます.
これらの要素を強化していくことはコア・コンピタンス(他社には真似できないような価値を顧客にもたらすことができる中核的な能力)にもつながっていき, 競合に勝つための方策のひとつとなります.