ECRS(イクルス)とERRC(エルック)~改善とバリューイノベーション~

2018年12月3日

ECRSとERRC

 

ECRS(イクルス)

課題となっている問題に対し, 効果的な改善策を考える際に有効な考え方のひとつにECRS(イクルス)があります.

ECRSはそれぞれ排除(Eliminate), 統合(Combine), 交換(Rearrange), 簡素(Simplify)の頭文字を取ったものです.

 

ECRS

 

例えば仕事の効率化をしたい場合

  • その工程をやめることはできないか (排除 E)
  • 仕事や工程をまとめることはできないか (統合 C)
  • 他のものに置き換えたり手順の入れ替えはできないか (交換 R)
  • もっと簡単なやり方はないか (簡素化 S)

と考えていくことができます.

一般に排除が最も改善効果が大きく, 改善効果は排除, 統合, 交換, 簡素化の順になると言われています.

改善効果が高い順に並んでいるため排除側から順番に考えていくのが効率的です.

その工程や仕事が何のためにあるのか, 他の代替案はないのかと仕事の原点や本質に立ち返り問うことで改善に結びつきます.

 

ERRC(エルック)とバリューイノベーション

ERRC (エルック)はバリューイノベーションを検討・実現するための4つのアクションからなるツールです.

バリューイノベーションとはコストを低減させると同時に顧客にとっての価値を向上させていくことです.

ERRCはそれぞれ排除(Eliminate), 削減(Reduce), 増加(Raise), 付加(Create)の頭の文字をとったものです.

このうちコストを下げるためのアクションは排除(Eliminate)と削減(Reduce)で,

価値を上げ差別化を図るためのアクションが増加(Raise)と付加(Create)です.

 

ERRC

 

ERRCの考え方では以下のように検討します.

  • コスト削減のため取り除ける要因は何か (排除 E)
  • コスト削減のため減らせる要因は何か (削減 R)
  • 価値創造のため増やせる要因は何か (増加 R)
  • 価値創造のため新たに付け加えられる要因は何か (付加 C)

このようにERRCは低コスト化と差別化による高付加価値を両方実現するためのフレームワークとなっています.

バリューイノベーションはブルーオーシャン戦略の基礎ともいえる概念で新市場開拓のためには非常に重要な要素です.

 

ライバル企業との過当競争を繰り広げざるを得ない血の海であるレッドオーシャンに対し,

競争の存在しない独自の新市場を開拓しようとするのがブルーオーシャン戦略です.

バリューイノベーションは”高付加価値と低コストはトレードオフの関係にある”という既成概念を

打ち破る発想で今後の企業戦略にも有効なツールとされています.